Interview · 2024年度採択

渡辺 大輔 氏

渡辺 大輔 氏

微生物の力で発酵食品に新たな価値を!現場の課題やニーズと向き合い、研究シーズを社会へ届ける挑戦のリアリティ

プロジェクト:微生物発酵技術の進化に基づく『発酵食品3.0』の開発

酵母や乳酸菌などの機能を活かし「発酵食品3.0」の開発に取り組む渡辺准教授。研究成果をものづくりの現場へ届けるためプログラムへ参加。地域事業者との対話を通じた視点の変化と、研究の可能性を広げたリアルな体験を伺いました。

発酵食品微生物地域連携

Q1. 事業内容と、プログラムに応募したきっかけを教えてください。

本事業では、酵母や乳酸菌、麹菌など、発酵食品に関わる微生物の力を活用して、よりおいしく、健康的で、新しい価値を持つ発酵食品の実現を目指しました。ふだん、学会や論文で研究成果を発表しても、それだけでは全国各地で日々発酵食品をつくっている方々に直接届けることはなかなかできません。研究室で得られた知見や技術を実際のものづくりの現場につなげ、それが新しい発酵食品として形になり、つくる人や食べる人に喜んでもらえるところまで見てみたい。そう思ったことが、本プログラムに応募したきっかけです。

醸造の現場で発酵の様子を確認する渡辺准教授

Q2. プログラム参加前、研究シーズの事業化や社会実装を進めるうえで、どのような課題や不安を抱えていましたか?

研究については長年取り組んできましたが、ビジネスについてはほとんど知識がありませんでした。自分たちの技術にどんな社会的価値があり、誰を顧客として、どのような形で提供すればよいのかという発想自体が、研究者として普段考えていることとは大きく異なっていました。研究や教育と並行しながら取り組めるのかという不安もありました。

Q3. プログラムの支援で特に役立ったことと、それにより得られた成果や今後の展望を教えてください。

メンタリングを通して、自分たちの研究シーズによって「何ができるか」ではなく、「誰にどんな価値を提供できるか」という視点から考えられるようになったことが大きな収穫でした。また、生駒市内の複数の発酵・食品関連メーカーの方々とのつながりも構築していただき、実際のものづくりの現場で抱えている課題やニーズを直接伺えたことも非常に大きかったです。今後は、こうしたつながりをさらに大切にしつつ広げていきながら、新しい発酵食品の開発や地域の発酵産業との連携につなげていきたいと考えています。

発酵実験中の試料

Q4. これから応募を検討しているNAISTの研究者・学生の皆さんへメッセージをお願いします!

最初から明確なビジネスプランがなくても大丈夫だと思います。私自身も、最初は「研究成果を社会に役立てたい」という思いがあるだけで、それをどう事業につなげるのかは全く分かっていませんでした。研究室の外の世界に飛び出すことで、自分では気づいていなかった研究の価値が見えてくることがあります。起業するかどうかにかかわらず、自分の研究を違う角度から見てみたい方には、ぜひ参加してみてほしいです。

あなたも研究の社会実装に挑戦しませんか?

2026年度 I-SAP。アイデア段階からの応募も歓迎です。

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